前世紀最高の漫画はなんなんだろうか。
そう「ふと」考えたとき、自分の中で答えがはっきりとあったことに驚いた。
色んな意見があると思う。
ただ僕は、この漫画を「20世紀最高の漫画」として推したい。
寄生獣
内容紹介
シンイチ…『悪魔』というのを本で調べたが…いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と、彼の右手に誤って寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物との戦いを始めた。
どこの切り口から話そうか。
正直どこでも良い。
どこを切っても傑作になってしまうから。
ま、そんな中今回は「ミギーとシンイチの友情」に注目してみる。
はじめ、ミギーとシンイチは各々の命を守るという別々の目的を持っていた。
そのための行為が一緒だっただけだ。シンイチの体を守る、と。
だからミギーは、生命活動に関係ない部分でのシンイチの損傷に付いては特段興味を持たなかった。
ただ、ミギーはある時から学習して行く。
シンイチの生命をより効率的に守るためには、シンイチが考えていることを知るべきだ、と。
そこからミギーはシンイチのこと、ひいては人間のことを学び始める。
そして、シンイチが大切にしていること、シンイチが怒ること、シンイチが悲しむこと、を知っていった。
ミギーの目的は、自分の生命を守ること、である。
その中で、ただただより効率的に守るためにシンイチの気持ちを理解しようと努めたに過ぎない。
だけど、ラスト。
ラストに、ミギーからシンイチに向けられた友情の発露をみることができる。
友情ってのは、誰かの気持ちを一生懸命理解しようとすることなのかもしれんね。
目的なんてなんでもよくって。
そんなことに思い至れる傑作です。
ちゃんちゃん。
岩明先生の作品は、正直全部おもしろいのでこちらも是非!
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