ベンチャー企業に特化した法律事務所で働き、いけてるベンチャー企業で働いて思うのは、
おお、ベンチャーはすげー村だ…
である。
とはいえ別にネガティブな意味ではなく、それはそれでおもしろいなーって思ってる。
ただ村人になんないと話が全く続かない!
物事が動かない!
ということで、これからベンチャーの方々と関わる人のために、ベンチャー村の村人になるための4つのステップを説明したいと思う。
1 「ことば」を覚える
村の人達と会話をするためにはまず必要なのがこれ。
言葉を覚えないことには、コミュニケーションを取ることが非常に難しくなる。
たとえば、
「このPJTのランチMTG、いい感じでアレンジしといて」
とかいう。
◇PJT
プロジェクトのこと。多分タイピング的に、プロジェクトの方が打つの早い気がするがよく使われる。
◇MTG
ミーティングのこと。同上。及び、何かとくっつけて使うとおしゃれさが増す。例:ランチMTG、コーヒーMTG
◇いい感じでアレンジ
登場する全ての利害関係者の気持ちに配慮して、それらの人が不快に思わない&物事が次に進むような調整をすること。死ぬほど難しい。これが出来るだけでヘタしたらこの業界でやっていける。
またその他にも「イケてる感」「オンスケ」「デモチ」「ロジシン」等々、いっぱいある。
これらの言葉はふわっとはわかるんだけど、言語外に含まれる意味が多すぎて、それらの把握が本当に僕を悩ませました。
特に「イケてる感」
ベンチャーのほぼすべてがこの基準で動いている。
どれだけ精密に考えられた企画であっても
「んーイケてないよね」
で全てがひっくり返る。ある種の魔法の言葉。
この言葉を使いこなせばこなすほど、村人として認められ、一方で他業界から隔離されていく。
2 「しきたり」を学ぶ
ベンチャー村では謎の暗黙の了解がいくつかある。
たとえば、
・Facebook、LINEも仕事に使うべし
・テンションは常に高めすべし
・可愛い女の子は財産として大切にすべし
・無茶を誇るべし
等である。
これらを破っても特に罰則があるわけではないが、なんとなく、違和感がすごい。
感度の高い人なら
「え、お前なにやってんの?」
と相手の顔に書いてあるシーンを何度も見ることになるので、結構精神的にくる。
守った方が生きやすい。
3 「かおやく」の知り合いを増やす
「あー◯◯さん、昔良く飲んでましたよ」
「だったら、◯◯さん知ってますか?すげー仲いいんですよ」
という会話が、初対面の場ではめちゃくちゃ多い。
どこか、より強いカードを知っている方が優位に立つような空気感の中会話がかわされる。そして、実際誰をどういう風に知っているかがかなり大切になってくる。
たとえば、ベンチャー村の転職なんて、誰にどのように知られているかでほぼ決まっている。
リファラル採用という名のもとに、日夜優秀な人材の奪い合いを行っている。
そりゃ人だって有限。育てる余裕のない村では、他の村から育ったものを収穫するしかない。
4 「がんばる」
課題の本質を見つけた上で、ロジカルに物事を進める。
こういうスマートさが想定される村なんだけど、でも結局最後には頑張ってる奴に優しい村でもある。
訳も分からず、無駄かもしれないことをがむしゃらにやってると、ただただ可愛いw
「うんうん、それ意味ないよね?」
「」
「うんうん、そーそーどうすればいいと思う?」
「」
「そーだね、課題の1つはそれだね。他にはないかな?」
「」
「おーそうそう、それもあるよね、それ俺も気付かなかった!いーね、時間かけたからこそだね!それ実現するためにはどんな打ち手があるかな?」
「」
「そだね!んじゃそれやってみよう!」
こんな会話がしっかり交わされる村は、本当に居心地がいい。
こういう会話をしていると、ある時ふっと壁を越えたみたいに伸びる子とかが出てきて、
あーこれが村人になるってことか
と思うことがある。
このあたりがベンチャー村で働く醍醐味なのである。
—
これらをしっかりこなせば誰でもベンチャー村の村人になれる。
村人になれると、ベンチャー村は非常に居心地がよく、物事がサクサク進むし、理不尽だと感じることも少ない。
そして一度ベンチャー村の村人になれば、なんらかの理由で一度その村を抜けても再度暖かく迎え入れてもらえる。
ベンチャー村は、懐も深いのだ。
そんな村を一度のぞきにきてはいかがだろうか?
オフィス自慢の村も多く、気楽に声をかけてみると案外社内を案内してくれたりする。
ぜひとも興味あれば。
ではでは。
おあとがよろしいようで。
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