高専生から弁護士になったのは結構珍しいのかなっと思ったので、ちょっと現時点で高専生が弁護士になる方法をまとめてみたいと思う。
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第1章 総論
現時点において、日本で弁護士になるためには、司法試験に合格後、司法修習生を経て、二回試験に合格しなければなりません。
そして、
司法試験は5年で5回まで
二回試験は3年で3回まで
しか受けることが出来ません。
それを逃すと一生弁護士にはなれません。
まあ「変かなー」って思いますが、一旦このような制度になってるんだからそれを前提として弁護士を目指すかどうか決めるのがいいかなって思います。
これはこのままでいいとかそういう話ではないです。
そして司法試験を受けるためには、
法科大学院を卒業するか
予備試験に合格するか
の2つの手段しかないので、現高専生からすると、
「法科大学院コース」(第2章)
「予備試験コース」 (第3章)
のいずれかを選択して目指すこととなります。
第2章 法科大学院コース
「法科大学院」というのは、ざくっというと、法曹に必要な知識・能力を培うことを目的とする大学院です。ロースクールと言われたりもします。
牢スクールとか言われたりもするw
法科大学院は、あくまで大学院なので受験資格として大学卒業(又は卒業見込み)が原則として必要となります。
現高専生が大学卒業資格を得るためには、
「大学編入」 (第1節)
「専攻科進学」(第2節)
「大学入試」 (第3節)
の3つの手段があります。
第1節 大学編入
高専生にとっての王道は、5年生卒業後就職することだと思います。
学校によって比率はまちまちらしいが
それに反して大学編入しようって変わり者は大体うちの学校では2割位でした。
そんな変わり者が集まる大学編入は相当おもしろかったです(刺激的だった)。
僕らのときは編入の情報もなくて、情報戦線苦労したけど、ゲームみたいでおもしろかったですね。いろんな大学を同時にも受けられたのでそこまでプレッシャーはなかったし。
そんな感じで、高専生が法科大学院に入るためにどこかの大学に入るのは有用な手段だと思います。自分の学校で先輩や先生に
「編入したいんだけど」
って相談するところから始めてみてください。
割りと皆協力的に支援してくれます。(ありがたし)
ちなみに、
「もう高専的なことしたくないねん。。」
って人は、工学部や理学部等以外を受けられる大学を選んでください。
どうか楽しいキャンパスライフをw
なお、僕は大学中こんな感じで本ばっかり読んでましたw
第2節 専攻科進学
高専に5年いて、さらに2年いてもいいやって思える奇特な方は、専攻科に進学し、大学卒業資格を得るという方法もあります。
このルート、今はあまり良いコースとしては捉えられていないんですが、今後
専攻科でしか学べないこと
専攻科でしか学べない教授
とかが極まってくるとかなりおもしろくなると思っています。
是非、高専出身者にはこのポジションを狙ってほしい。
後輩たちのカリスマになってみてw
第3節 大学入試
大学1年のキャンパスライフをおくりたい!!!
って強い気持ちがある人はこちら。
やっぱり編入で3年次に入ったりすると、
サークルに勧誘されてそこでの人間関係楽しんだり
ゴールデンウイークまでのクラス模様でドキドキしたり
憧れの先輩追いかけたり
みたいな典型的な大学1年生活ができない。。
3年から入ると「こいつなんなん?」感がすごい。
なんでサークルとかは作ったりして遊ぶことになる(これはこれでめっちゃ楽しいがw
こちらは一般の大学入試と同じなので、センター試験受け、大学入試をするという、高専の偏った勉強からだと相当苦労するけど、バラ色の大学1年ライフをおくるために覚悟するなら是非。
個人の素質による部分も大きいのは忘れないように。。
第4節 法科大学院入学
上記の第1節〜第3節のいずれかをこなし、卒業することで法科大学院受験の資格が手に入ります。
法科大学院には、法律以外のことを学んできた人用の「未修コース3年」、既に一定法律を学んできた人用の「既習コース2年」が用意されています。
未修で入った人は、2年次に既習の人らと混ぜられビビります。
「おお、ここまで力の差があるのか・・・」とw
ま、考えてみたら当然で4年間法律学んできた人らですからね。
それを言い訳にその差を縮めないままにしておくと、それがそのまま合格不合格を分けることになるので、力の差がわかるのはいいことかなーって思います。
なお、この頃僕はいろんな勉強法を試しては捨て、試しては捨てを繰り返してました。
この辛くも楽しい法科大学院生活を終え、はじめて、司法試験の受験資格が手に入ります。
第3章 予備試験コース
「予備試験」というのは、合格した者に法科大学院終了者と同等の資格で司法試験を受験できる資格を付与する試験です。
この「予備試験」は、毎年誰でも受験することが出来ます。
これに合格すれば、めんどうな法科大学院に行く必要もなく、司法試験を受け始めることが出来ます。
毎年だいたい以下のスケジュールで行われています。
・5月末 短答試験
・7月半 論文試験
・10月末 口頭試験
たーだ、流石に難易度は高いです。
ざっと問題みましたが、高専生がいきなりこの試験に挑むのは厳しいですね。
もちろんちゃんと勉強すれば受かると思うので、1年くらい気合い入れてやるのはありですが。
この予備試験に合格すれば、司法試験の受験資格が手に入ります。
第4章 司法試験
上記のいずれかをこなし、司法試験受験資格を手に入れることでようやく司法試験を受験することが出来ます。
おそらく現在でも日本で一番難しい試験だと思うので、合格するためにはそれ相応の覚悟が必要だと思います。
逆に言うとその覚悟だけしっかりやれば誰でも受かる試験だと思うので、自分とは関係ないなーと思うのではなく、選択肢の一つとして頭のどっかに残しておくのがいいかなって思います。
第5章 司法修習生/二回試験
司法試験に合格すると、その年の11月から司法修習生になります。
「司法修習生」というのは、ざくっというと、裁判官、検察官、弁護士のいずれになるかを選ぶための1年間の身分をいいます。
この時期人は大きく2つに分かれます。
学ぶ人
遊ぶ人
もちろん両方できる人もいるんですが、ぼくはがっつり後者でしたw
シェアハウス(ソーシャルアパートメント)が楽しすぎて、つい。。
司法修習生を修了するにあたって、二回試験という鬼のような試験があります。
いや、まじ鬼ですよこれ。
1科目あたり、7時間半の試験で、約100ページの事件記録を読み、約100ページくらい書きます。手書きです。この時代に。そして最後は紐で綴じます。
この紐で綴じ忘れたり、途中で紙が外れたりしたらその瞬間に一発不合格です。落第です。来年を待たないといけません。絶対頭おかしいと思いますこの試験。
そして前述したとおり、二回試験は一生で3回しか受けられないのでプレッシャーも中々です。
二回試験に落ちると決まっていた弁護士事務所から断られ、3回落ちると借りていた貸与金の一括返済です。怖すぎます。
「とはいうものの全員受かるんでしょ?」
・・・50人位落ちます。
なぜ自分がその50人にならないといえるのでしょうか?
僕はめちゃくちゃびびってました。
ここはどんだけプライド捨ててでも、できる人たちにちゃんと教えを乞いましょう。
みんな優しいのでちゃんと教えてくれます。
そうして二回試験に合格してはじめて、弁護士になることが出来ます。
第6章 弁護士という生き方
色々長く書きましたが、弁護士になってからの方が人生長いです。
ご自身なりの弁護士としての生き方を探していってください。
「弁護士」というのも使い方だと思うので。
ぶっちゃけ今
「弁護士目指す?」
って聞かれたら自信を持って
「YES!!」
とは言えないかもしれませんが、特にやることもなくて高専生活飽きまくってるんだったらこんな道もありじゃないかなって思います。
もしご興味あればー!
ではでは、おあとがよろしいようで。