まあせっかく上場(IPO)も体験したことだし、メモ的に残しておこうかなっと。
あ、経営者視点、というより現場担当者視点ということで。
「これから会社がIPOするらしいけど、それってどんなこと?」
みたいに思っている人がいましたら、よければー。
- 1 なぜやるのか
- 2 労働関係
- 3 監査法人、証券会社との関係
- 4 ストックオプション(SO)
- 5 IPOを秘密にするか否か
- 6 形式面の強化
- 7 鐘鳴らす人、セレモニーの参加者
- 8 担当者の痛み
- 9 メンバーの入れ替わり
- 10 悩ませない
Contents
1 なぜやるのか
と、言いつついきなり本質的な感じでw
「IPOをなぜやるのか?」
というのは会社視点で一度考えたほうがいいと思います。
それは資金調達だったり、知名度アップだったり、その先に観ている世界のためだったり、、、となんでもいいんですが、これについて現場担当者レベルもしっかりと認識、理解しとくことが後々最後の馬力になったりします。
と、いうのは前提として、
それとは別に、現場担当者自身の
「IPO業務をなぜやるのか?」
についても、しっかり考えたほうがいいかなって思います。
それは自分のキャリアアップだったり、会社が好きだからだったり、お金が欲しかったり、それこそ好きなものでいいと思うんですけど、IPO業務のために自分の時間とエネルギーを相当期間(2年〜)費やすことになるので、ここでは割と強い意志が求められます。
2 労働関係
ちょっと形式的な話ですが、労働関係は大体どの会社も上手く整備できてないです。
それこそ最近色々な会社見させていただきましたが、100%どこかが適切ではない状態でしたね。
固定残業代とか、だいったい未払い残業になってるから!
裁量労働とかも!
注意してよほんと!
とかいいつつ、労働関係で本当に大切なのは、雇用側と労働者との間の関係なので、そこがしっかり握れていれば大丈夫だったりもします。
「この会社で働きたい!」
「この人に働いて欲しい!」
という軸でしっかり考え抜かれた関係性の場合、問題になることは少ない。
3 監査法人、証券会社との関係
業績が好調なタイミングでこれらの人との接点が増えてきます。
こういう会社の方々は、まあなんというか、うーーん、一枚岩ではないというか、、、。
なので、営業の人が言うことと、実際に審査を担当する方が言うことは割りと、、、、いや、かなり、違います。
まーそれはそれで仕方ないのかなーって思っているのですが、そういう実際の審査担当者の方と、会社の現場担当者との関係はかなり気を使います。
未上場ベンチャーの現場担当は若いことも多いので、このあたり社会人として当然できることをしっかり出来るかどうかは一度チェックしてもいいかもしれませんね(自戒を込めて)。
あ、余談ですが、これらの会社の人、年齢以上に老いて見えます。
やっぱ気苦労が多いのでしょうか・・・。
4 ストックオプション(SO)
上場のメリットの一つは、やっぱり大きなお金が手に入ること!
そういう期待をして、未上場ベンチャーに入ってくる方もいるかと思います。
それはそれで全然いいことだし、もっとみんなこの仕組みについて知っておくのがいいかなーって思うんですけど、問題は新株予約権(SO)をどのような基準で配るか。
貢献度に応じて配るか、単に在籍年数で配るか、今後の期待値で配るか、それらのことをしっかり考え、哲学を持って配ることが大切なのかなって思います。
あ、でこれは勘違いしちゃいがちなんだけど、IPOの担当やったからといって、SOが沢山もらえるわけじゃないから。なんか凄いことした気になるのは勘違いだから。そのあたりは客観的価値を測り違えないようにね。
5 IPOを秘密にするか否か
IPOすることをメンバーに秘密にするか、ちゃんと説明するかは結構大切なポイント。
実際最後まで上場できるかどうかわからないから、無駄に期待させることを考えると言わないって選択も十分ありだと思うんですが、ぶっちゃけ大体わかります。
だって普段スーツ来ないような奴らがキッチリかっちりスーツきてたり、なんかやたらとおじさん連中がオフィスに来るようになったり、コーポレートチームがやたら殺気立ってたりするので。
ということで、実際に
「上場する!」
とまでは言わなくていいですが、
「上場の準備はしてます!本気で!!」
くらいはメンバーに説明しておくのがいいのかもしれません。
6 形式面の強化
上場しようとすると、めっちゃ形式面気にされます。
それ以外審査しようがないから仕方ないっちゃ仕方ないんですが、まーめんどくさい。
「えーそれ今さら形式整えてなんか意味あるの・・・?」
みたいなんがわんさか。。
こういうところに時間をとられるというのは、事業のスピード感を落とすことになりかねません。
とはいっても、IPO後の方がこの部分ミスれないので、その練習と捉えトレーニングしておくことは有益なのかも・・・。
7 鐘鳴らす人、セレモニーの参加者
上場した際の鐘を鳴らすセレモニーは良くTV等にも映っていて、上場といえば
「あーあれをやるのかー」
と思う人も多いと思うんですが、結構厳密に人数が定められています。
東証さんがもうそこは相当厳しく、ね。
鐘は、合計5回まで。
一回に多くても5人なので、MAX25人。
とはいっても代表は1人で鳴らすのが慣例っぽいので、実際はMAX21人ですかね。
入社順とかで選ぶのが無難かなーと。
あと、セレモニーも何気人数制限あります。
メンバーの多い会社は全員が入れないのでご注意ください。
8 担当者の痛み
これはもう仕方ない。
IPOの担当者、
めっっっっちゃ痛みます。
もうなんというか肉体的に、精神的に凄く辛い。
業務が日をまたぐのは当たり前だとして、自分のミスが会社の上場を阻害する、いままでやってきたことを無意味に・・・
みたいなのはまじでくる。
さらに、ある程度綺麗事が必要な中、自分たちが言っていることと実態との乖離が辛くなってくる。
「ああ、本当はこんなことが言いたいわけではないんだけどな。。」
ってのは思いの外ストレス。
なんで、現場担当に選んだ人はできるだけねぎらってやってくださいw
9 メンバーの入れ替わり
上場の前後で必要とされるメンバーは異なります。
上場前だと、どれだけぐちゃぐちゃな状態でもなんとか一定の価値を出せる人が重宝されます。
それが上場後になると、ある程度整備された状態で、どれだけ高い価値を出せるかにコミットできる人が重宝されます。
これは優秀、優秀じゃないの話ではなく、それぞれの特性・特徴の話です。
そのため、上場の前後で色んな人が退職したり、入社したりする。
最初のメンバーと最後まで!
というのは中々難しいものです。
それがしたいのであれば上場は辞めたほうがいいかもしれません。
上場するなら、当初から一緒に頑張ってきたメンバーがいなくなることの覚悟が必要となってきます。
ワンピみたいに、それぞれの特訓の期間があればなんとかなるのかもしれませんが
10 悩ませない
と、色々書きましたが、こういったことを代表や役員に悩ませないようにするのが現場担当の腕の見せ所。
事前に「こういうことが考えられるよー」と伝え、考える軸と要素を並べて、代表の負担を減らすことが出来たらイケてるIPO現場担当といえるでしょう。
そんな感じで、おあとがよろしいようで。
<目次>
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