ビットコイン、ブロックチェーン、仮想通貨、イーサリアム・・・
これらのよくわからんTech系の言葉の文脈で最近注目されているのが
ICO (=Initial Coin Offering)
である。
ちょっと調べることがあったので、現時点の僕的理解を残しておきます。
概念的に理解・表現しているので、正確性は8割くらいかと。技術の話も基本割愛で。ちゃんと知りたい人は色んな本読んでみてください。
あと、このICOってやつは”地域=LOCAL”のほうが相性いいんじゃないかなーって感じてるので、ちょっとそのことにも触れます。
それではどぞ。
Contents
1 ICOとは
意味
まず、wikipedia的説明を
Initial coin offering(ICO)とは、暗号通貨の発行によるクラウドファンディングである。
一般的に新しい暗号通貨を開発するための資金調達手段として、暗号通貨がリリースされる前に実施される。
株式公開(IPO)と異なり、ICOによるトークンの提供は暗号通貨開発会社の所有権を付与するものではない。
Initial coin offering – Wikipedia
うん、これだけだと全くわからん。
とりあえず、概念だけ理解すればいいと思っていて
ICOとは、仮想通貨を発行して、資金を調達すること
ですね。
IPOとの関係
ICO(=Initial Coin Offering)は
IPO(=Initial Public Offering)の考え方を横展開したものだと理解すると理解が進む人も多いかもしれない。
要するに、
IPO=新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させること
ICO=新規に仮想通貨を仮想通貨取引所に上場し、投資家に仮想通貨を取得させること
ですね。
リスク
IPOは、株式会社という考え方ができてからの歴史の積み重ねがある一方、ICOはブロックチェーン技術ができたのち、仮想通貨が流行ったここ最近の方法なんで、当然色んなリスクがあります。
一番は、法律・手続きが何もしっかりしていない。
IPOはまじでガチガチに法整備と手続き整備がされていて、ほんとあれ超えるのは大変でした。
参考記事:株式会社アカツキを退職しました 。
一方でICOは、このあたりほとんど整ってないです。
ホワイトペーパーと言われる、「資金調達をして何に使うのか」について書かれた紙をしかるべき取引所※に提出すればいけます。(もうちょっと細かい手続きはありますが割愛)
なので、詐欺も多いです。
参考1:米SEC、仮想通貨資金調達(ICO)2件を詐欺で告発 | TechCrunch Japan
参考2:「LINEが仮想通貨発行」かたる偽サイト ICO装う詐欺か – ITmedia NEWS
まー昔っから未上場株詐欺とかもあったんで、どっこいどっこいですけどね。
※仮想通貨取引所は、仮想通貨交換事業者登録が必要です。
※各国の規制などはこちらが分かりやすかったです。(原典には当たってません、あしからず)
可能性
一方で、IPOのように制度が整ってないからこそ、チャンスもいっぱいあります。
投資家側は、ホワイトペーパーをしっかり読んで、ほんとに意義や価値がありそうなプロジェクトや会社を見つけたらそこの仮想通貨を購入することで、かなり大きなリターンを期待できます。
ICOで手に入れた仮想通貨Aは、取引所で他の仮想通貨Bに交換可能であり、また、ICOした企業の提供するサービスやモノと仮想通貨Aを交換することもできる。
つまり、今の日本だと
クラウドファンディング+そのお礼の品を取引所で交換できる
と理解しておけば良さそう。
また、ICOを行う企業は、IPO(準備に3年以上、費用1億程度)のように時間とお金をかけずとも目的達成のための資金調達が可能であり、夢がある。
これがいい形でもっと常態化すれば、色んなサービスや製品が出てきて良い社会になるんだろうなと胸が踊る。
事例
そして実際に、多くの資金調達に成功している企業があります。
①Brave社
いちばん有名なのはMozilla社(Firefoxつくっているとこ)の前CEOのBrendan Eichが新しく立ち上げたBrave社。
30秒で3500万ドル(≒40億円くらい)を調達。すごいね。
Mozilla前CEOが設立したBraveが30秒で3500万ドル調達| TechCrunch Japan
②ALIS社
日本でも、開始4分で1億円集めたALISのような事例もある。
4分で1億円調達! 国内ベンチャーが明かす「ICO」成功の5つのポイント | BUSINESS INSIDER JAPAN
③テックビューロ株式会社
他にも今(2017.11.2)まさにCOMSAプロジェクト でICO中のテックビューロ株式会社。
現時点で100億円程度集めてますね。
すごいわこれ。
ホリエモンとかもこんなこといってる。
日本の仮想通貨法を武器とした資金調達のICOプラットフォーム「COMSA」をテックビューロが発表 (TechCrunch Japan) | ホリエモンドットコム
ま、そんな感じで、遠い世界の話ではなく、普通に日本のどこかでICOを利用して数億円の資金調達をしている事例があるんだよって感じです。
※今現在ICOしているものはこのサイトで確認できたりもするので、ご興味あれば。
BOXIL TOKEN(ボクシルトークン) | ICO専門メディア&データベース
2 ICO×LOCALの相性とは
ICOとTech系
さて、上記見てもらったらわかると思うけど、Tech系ばかりよね、ICOしているのって。
だから、思わず
ICO=Tech系の取りうる資金調達手段
って思いそうなもん。
だけど、ICOは誰にでも許された資金調達方法であり、本当に意義のあることであれば、世界中場所を選ばず実行可能。
なので、もっとICO企業には様々なものがあってもいい。
それこそ、
「地域に起業家支援VCをつくる」
「世界最古の建築技術を現代に応用し、住宅革命を起こす」
「小規模多機能型福祉施設をつくる」
「地域特産品限定フードハブの建設をする」
みたいなことを狙う企業が資金調達をすればいい。
これらに意義があると認められれば、世界中から資金が集まり、実行することができる。
夢がある話でしょ?
技術的に難しいから、今のところTech系以外手を出せてないけど、クラウドファンディング+お礼交換可能な資金調達方法と理解して、どんどん挑戦すればいいと思う。
これらのICOが出るようになってくれば、本当に資金調達の形は変わるよね。
世界初自治体ICO
そんな中、岡山県西粟倉村が世界初※自治体ICOの研究着手のプレスを出した。
これ、めちゃくちゃすごいことだと思うんですよね!
今はまだTech系のごく一部でのみICO事例が出てきている段階で、Tech系以外の感度の良いベンチャーがICOやるのでもなく、人口1500人の地方自治体がICOの研究に着手したんだよ?
ちょっとすごすぎて理解が追いつかない。。※
先駆性はもちろんなんですが、それをおいておいてもこの構想はすごいと思っていて、これはいうなれば
地域仮想通貨を創造することで、独自の経済圏を創造することになる!
のかもしれない。。。
そこまでこの段階で狙っているかどうかはともかく、自分たちで通貨を発行してそれに安定的な価値を付与することが出来たら、国(日銀?)にコントロールされている日本円とは違う西粟倉通貨が生まれる。
今までの地域通貨での失敗は、狭い範囲に限られた流通であり通貨としての価値を持ち得なかったことを考えると、ICOは地域通貨が本来狙っていた地域経済システムを作り出すことになるかもしれない。
たとえば、西粟倉コインでなんらかの住民権が手に入るようになるかもしれない。西粟倉コインでのみ交換可能な価値のある西粟倉のものが生まれるかもしれない。
そんなことになっていけば、本当に独自の経済圏が生まれるんだと思う。
さすがにこのあたりはまだまだ妄想と言われても仕方ないけど、それに向かえる一歩を最初に踏み出したのが、日本の小さい自治体であることはほんと誇らしい。
ICOを独自の経済圏創造というところまで考えていくと、”地域=LOCAL”とものすごく相性がいい。
そう思います。
そんな感じで、おあとがよろしいようで。
※世界初はやまだ調べなんで、もし違ったら教えてください。自治体ではなく国であればエストニアの事例があります。
※やまだも関わることが多い地域ですが、これらについては個人的見解です。あしからず。
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